株式会社住ゴム産業（住友ゴムグループ）のスポーツ用人工芝の営業（サッカーや野球のプロチーム、強豪校などに提案）（912355）の転職・求人情報は掲載を終了しています。

緑の芝が輝く神宮球場で、営業は祈っていた。大学野球リーグ決勝戦。9回裏2アウト1塁2塁、一打サヨナラのピンチ。守ればこちらの優勝だ。投球直後、弾ける音と共に鋭い打球が三遊間を抜ける。ギリギリ追いついた野手がワンバウンドで捕えた。

「よし！」思わず声が弾む。
本番と同じ人工芝を導入した価値が、練習の成果が、いま花開いたからだ。

――名門でありながらここ数年優勝に届かなかった同校。3年前、私が「グラウンドを土から人工芝へ」と提案した。リーグ戦会場の神宮球場は当社の人工芝。土とは球筋やバウンド値がまるで異なり、打球速度も土より少し遅れる。感覚のズレが大事な場面でエラーの原因になりかねない。本番の守備への影響を熱弁したのだ。

1億円以上の仕事なので受注は簡単ではなかった。それでも毎週のように練習に顔を出した。休日も試合の応援に駆けつけた。1年以上地道に汗をかき、受注の後もずっと、芝を走る選手を応援してきたんだ。ホームへの送球、間に合うか――。

「…アウト！ゲームセット」審判が高らかに、我々の勝利を告げた。