前職では、エアコンメーカーの物流倉庫で、倉庫管理をしていました。倉庫内のエアコンを、出荷に合わせてフォークリフトで移動させたり、整理したりといった仕事ですね。フォークリフトの運転といったスキルも身に付いたし、仕事内容への不満は無かったんです。

転職を決めた理由は正直な話、お金です。エアコンは季節によって出荷量などにかなり波があります。当然、倉庫管理である僕らの仕事量にも波ができて…残業代が上下するなど収入が不安定だったんです。奥さんと小さな子どもを養う身ですし、将来を考えると不安だなと。

お互いに口にこそ出しませんでしたが、お金の不安で奥さんとの関係もギクシャクしつつありました。僕は元々ドライブが好きで、よく家族で出かけては、記念写真を撮っていたんです。ところがいつからか、写真に写る奥さんの表情が暗くなっているのに気づいてしまって。

そこで転職を決めたのですが、当時の僕はもう30歳。転職もすでに1回経験していました。これ以上、転職を繰り返すとなれば、奥さんはもちろん両親も不安にさせてしまう…。「転職をするなら、次を最後の会社にしなければ」というプレッシャーを、強く感じました。

自分を追い込む意味でも、応募先は1社に絞ろうと早々に決めました。その代わり、自分が絶対に譲れない条件を考え抜きました。

職種に関しては「自分の性に合う仕事か」「前職の経験が活かせそうか」という点を考えていました。そこで選んだのがドライバー職。元々ドライブは好きですし、ドライバー職なら倉庫内での作業もあるでしょうから、フォークリフトの運転スキルを活かせるだろうと考えた訳です。企業に関しては「家族を養うために充分な収入を得られるか」「長く勤めていける、経営が安定した会社かどうか」という点に注目していました。

それらの条件に１番ピッタリだったのが、シモハナ物流のドライバー募集だったんです。求人広告や企業の採用HPを見て、給与・手当・福利厚生はくまなくチェック。加えて取引先の社数だったり、従業員数や売上高など、会社の規模に関する情報も読み込みましたね。あと、どんな人が働いているかという情報が求人広告に載っていたのも良かった。「家庭を持つ人が多い」だとか「入社後にマイホームを購入した人がいる」だとか。自分と近い境遇の人が、入社後に生活を改善できていることが分かると、安心できますよね。

面接では、自分の悩みや希望をハッキリ伝えました。どこまで正直に話したものか、はじめは迷ったんですけどね。ですが面接官が「ここまでの説明で、疑問はありますか」などと細かく聞いてくれる方だったので、安心できたんです。

すると「なら入社後しばらくは夜勤で働いてみては？手当が高いので、まとまったお金を作れますよ」と、具体的に提案してくれて。その提案自体は、家族との時間を考えて断ってしまったのですが、「なら日勤で全く構いません。ウチは案件が多いので事情が変わったら調整することもできますし」と受け入れてくれました。嬉しかったですね。

今だから言えることですが、やっぱり悩みや希望はハッキリ伝えた方が良い。転職をする人って、皆さん何かしらの目的があるはずですよね。その目的が叶うかどうかを確かめるのは、とても大切。極端な話、叶わないなら転職する意味が無いですからね。それに、希望を伝えた時の反応で、その企業が信頼できるかどうかも見えてきますし。

面接後の職場体験でも、付き添ってくれた先輩社員に「正直、仕事はキツイですか？」など、根掘り葉掘り質問しました（笑）。その際も「キツイよ～、階段の上り下りとか！」とオープンに話してくれたので、信頼感が増しましたよ。

入社によって、最も大事にしていた生活の安定が叶いました。収入はアップし、時期による上下も無し。会社の経営は、安定どころか上り調子です。私の入社時には80名規模だった厚木営業所も、今では倍の160名規模。奥さんの表情も目に見えて明るくなりましたよ。

入社2年が経ち、今は複数のドライバーをマネジメントする班長職です。チームを大切にしている会社ですから、仕事はしやすいですね。たとえばメンバーの誰かが、配送予定の店舗に予定通り到着できそうにない時。近隣エリアを配送中のドライバーに連絡を取り、ヘルプに入れないか打診するんです。正直みんな忙しいのですが、積極的に協力してくれます。仲間を全力で助けるという社風には、誇らしさを感じますね。人間関係の面でも、長くやっていけそうだなと。

おかげで今は、20年後・30年後を見据えた仕事ができています。50歳・60歳になった時に、今と同じ働き方ができる仕事ではないので…より上の管理職に昇格するため、できることを精一杯やっています。たとえば当社は、配送先でのお客様とのコミュニケーションをとても大切にしています。単に挨拶を交わすだけでなく、近況や、お困りごと、要望などを、会話を通じて汲み取る訳です。私はこれに特に力を入れています。もともと人と話すのは好きですし、後輩ドライバー達の模範になれる仕事をして、きちんと認められたいのです。