前職はネイルサロンのネイリストでした。もともと人材系の企業で営業として働いていたのですが、結婚や出産というライフイベントもあって子育てをしながらできる仕事に切り替えたんです。ネイルの仕事はパートでしたが、出勤は週5～6回と正社員並みのフル稼働でした。ただ、お客様とコミュニケーションを取るのは楽しかったですし、もともとネイルが好きだったのでやりがいは十分ありましたね。ありがたいことに私を指名してくださるお客様もいて、すごく充実した毎日を送っていました。

そんなときに夫との離婚が決まり、これからは3人の子どもを私が養っていくことになったんです。当然、パート社員のお給料ではとても足りません。それにネイルサロンは土日祝も開いているので、前職で正社員になったとしても学校行事への参加が難しい状況でした。そこで「子どもたちのためにも転職しよう！」と転職活動をスタートすることにしたんです。

「さあ転職するぞ！」と決めたものの、転職活動をする上で大きな問題が発生しました。それが離職期間を2ヶ月以上にできないこと。2ヶ月を超えると子どもが保育所を退園になってしまうため、働きながら仕事を探すか、リスクを承知で離職するかの2択でした。とはいえ、前職は忙しく転職活動をしながらだと職場に迷惑をかけてしまいかねません。かといって離職しても転職先が決まる保証はなく…。そこで会社に事情を説明することにしました。

すると、会社も理解してくれて「必要なら次の仕事が決まるまで働いていいよ」と応援してくれたんです。働きながらの転職活動も認めてもらい、シフトが休みの日に面接に行くようにしました。今の生活を守りながら仕事を探せるようになったのは精神的な面でもすごく助かりましたね。

当時を振り返ると、私なりに会社に貢献しようとがんばってきたからこそ、会社の理解や協力を得られたんだと思います。“私なりに”といったのは迷惑をかける部分もあったからです。というのも、上の子はまだ小学生。PTAなどの係をしていると学校行事などの予定が急に入ってくるんです。一方、ネイルサロンでは1ヶ月前に指名や予約が入るのが一般的。店側としては2ヶ月前にシフトを固めたいのですが、それに応じられないこともありました。

だから、私は私なりの方法で会社に貢献することにしたんです。ご予約が多い曜日・時間帯のシフトを埋めたり、系列店のヘルプ要員を買って出たり。前もって予定を組めない点を長所ととらえ、店舗の状況に合わせて柔軟に動いていきました。

ほかにサロンのHP制作や経理業務も任せていただきましたが、売上につながるという意味でもシフトへの貢献が一番大きかったんじゃないですかね。店舗からすると「いい意味で使い勝手がよく、お店にいてくれないと困る存在」みたいな。周りのスタッフとは違う貢献方法ですが、私なりのがんばりを会社が認めてくれていたんだと思います。

転職先への希望条件は3つでした。「土日祝休み」「子ども3人を養える給与」「手に職」です。これらは、子どもたちとの生活を守るために欠かせないものでした。職種や業種は決めていませんでしたが、より安定した将来が見込める“インフラに関わる仕事”ができればと思っていましたね。それらの条件に当てはまったのが今の会社です。

当社の求人はエン転職で見つけました。ほかの大手サイトにも登録しましたが、エン転職は職務経歴書の記載例が細かく分類されていて使いやすかったです。私は電気工事士の資格を持っていなかったので、書類には自己アピールにつながるものを盛り込みました。たとえば簿記の資格や採用関連の経験などですね。工事以外の部分でも貢献できることを記載しました。

また、転職活動ではエン ライトハウスなどのクチコミサイトやHPも情報収集に使いました。求人原稿では分からない風土まで感じ取れるのでクチコミサイトはおすすめですよ。実際、当社に応募したのもクチコミサイトがあったおかげです。電気工事は男性仕事のイメージがあったのですが、情報収集の中で「社長交代を機に変革していく」という情報を掴んだんです。それで「このタイミングなら女性を受け入れてくれるかも」と思って応募しました。

結果、書類選考を通過して面接に進めることに。でも、まだお休みの問題がありました。私が応募した求人は日・祝休み。子どもたちとの時間を確保するためにも土曜日の出勤がネックだったんです。

ただ、そこは最初から面接時に相談するつもりでした。私は未経験で土曜勤務ができないけれど、男性ばかりの職場に女性らしい気づかいや観点をもたらせます。それに、経理や採用など工事以外の部分で貢献することだってできます。足りない部分を補えれば採用のチャンスがあると思いましたし、何より相談する前から諦めたくないなって。それで家庭の事情も含めて相談してみたんです。

そのときに気をつけたのは、私の一方的な要求にしないこと。希望条件をオープンにするだけでなく、「こういう部分で会社に貢献できます」と意思表示しました。具体的には、土曜休みを希望していること。ただし、繁忙期には土曜出勤もするし、残業もいとわないこと。そして、工事以外の業務でも会社に貢献しようと思っていること。これらをストレートに伝えました。結果、内定をいただけ、土曜休みの希望も叶ったんです。

ネイリストから電気工事という畑違いの転職でしたが、先輩たちが丁寧に仕事を教えてくださるおかげで安心して働けています。今は先輩と2人1組じゃないと現場に入れないのですが、第二種電気工事士と工事担任者の資格を取ると1人で担当できるようになるんです。資格取得によって収入もアップするので早く資格を取れるよう勉強に励んでいます。

また、入社後の生活は私が希望していた将来そのものです。土日祝休みの条件で働けていますし、電気工事士や工事担任者は国家資格なので手に職もつけられます。当社では500万円、600万円といった年収も可能なので、子どもたちを養っていく収入にも手が届く環境です。それに、当社が扱う防犯設備は“住まいのインフラ”といっても過言ではありません。需要が安定している分野なので、これからも安心して働いていけそうです。

最後に、今回の転職活動を通じて思ったのは「今の仕事に真摯に向き合うことの大切さ」と「自分が思ったことを正直に伝える大切さ」です。この2つがなければ就業しながら転職活動できなかったかもしれませんし、今の会社・条件で働けなかったかもしれません。もし転職活動を考えている方がいたら、参考にしていただけると嬉しいですね。