以前は、ウエディングプランナーでした。ブライダル業界に興味を持ったきっかけは、ウエディングプランナー志望の友人に話を聞いたこと。当時「直接、人と関われる仕事」を軸に新卒採用の求人を見ていたので「そんな選択肢があったのか」と、興味を持ったんですよね。そこでブライダル業界の会社を受けていき、前職の会社に入社しました。

ウエディングプランナーとして過ごしてきた1年弱で、たくさんの結婚式を担当させていただきました。本当に充実感でいっぱいで、今でもいろんな式を思い出します。「人生の大切な瞬間」に携われることで得られる喜びは、大きいですね。思い出深い結婚式はいくつもあるんですが、特に印象的だった結婚式があります。それは、お子さまがいらっしゃるご夫婦の結婚式。新郎新婦だけではなく、お子さまと3人での見せ場をつくりたくて、僕はある演出を提案したんです。「三輪車に乗ったお子さまとその背中を押す新郎が、お色直しをした新婦を迎えにいく…」という演出なんですけど。「3人で“家族”」であることをゲストに示し、祝福を受ける姿にすごく感動しました。

想いを込めて結婚式を一つひとつ、つくり上げていく仕事にやりがいを感じていた一方で、密度の濃い1年過ごし、ある程度満足感を覚えてしまったんです。また担当するお客様の数が増えるにつれ、1組1組に充分に向き合いきれなくなっていくジレンマもありました。やるべきことも多く、体力的にもキツくなってきて…。

悩んでいるうちに「一生に一度の大切な瞬間」だけでなく「もっと深く、長く、人生に寄り添っていく」ような仕事がしたいと思うようになってきて。社会人2年目の夏、退職を決めました。

仕事探しを始めたのは退職後。多忙だったので、ウエディングプランナーを続けながら転職活動を始めることはできませんでした。ですが、離職期間が長期にわたると再就職の不利になると思ったので、なるべく離職期間を伸ばしたくないと思っていました。1ヶ月以内に内定をもらうことを目標に定め、転職活動をスタート。

効率的に、そしてスピーディに転職活動を進めるために、僕が心がけていたのは「考える時間」と「行動する時間」を分けたこと。自分が進むべき道をしっかり定めておかなければ、途中で悩んでしまって、転職活動が止まってしまうと思ったんですよね。

だから、まずは「どんな転職を叶えたいのか」という希望を固めることにしたんです。前職での1年間を振り返って自己分析をして「より深く、人に関わっていきたい」「長期的なキャリアを築きたい」といった希望に辿りつきました。そして、そうした希望を叶えることができるのは「人材派遣業界」だという結論に至ったんです。人材派遣とは、派遣スタッフとして登録があった求職者を、働く人を求めている企業にご紹介し、就業することで収益を得るビジネス。たくさんの「働きたい」という人の想いに寄り添うことができるので「より深く、人に関わっていきたい」という僕の希望が叶う業界だと思ったんです。

希望が明確になったところでエン転職に登録。会員登録後はひたすら行動に移していきました。始めの1～2週間は転職ノウハウのページに載っているQ＆Aを参考にしたり、転職エージェントとの面談を活用したりして、Web履歴書や職務経歴書を作り込んでいきました。

また、その期間に届いた企業からの「スカウトメール」にはなるべく目を通して、少しでも興味を持ったら応募するようにしました。たとえ希望業界・職種でなくても、面接の経験は自信になると思ったんですよね。実際、場に応じたコミュニケーションのとり方がわかるようになってよかったです。単刀直入に聞いてくる面接官には端的に回答する、穏やかな雰囲気の面接官には笑顔で話す、といった対応が自然とできるようになってきました。回数を重ねるたびに面接官の反応もよくなっていき、1社から内定をいただきました。

しかし、内定後も転職活動を続けました。スカウトメールから応募した不動産会社だったのですが「やはり人材派遣業界で働きたい」という想いが揺らがなくて。人材派遣業界に絞って、転職活動を続けました。そんな中で出会ったのがエスプールヒューマンソリューションズの求人です。

僕は、人材派遣会社の中でもスタッフの就業フォローに力を入れている会社がいいと思っていて。この会社は派遣スタッフと一緒に、正社員がリーダーとして現場に常駐する「グループ型派遣」のスタイルをとっていたので、スタッフのフォローに力を入れている様子が窺えたんです。そこで「この会社なら、スタッフに寄り添って就業をサポートできる」と思い、人材コーディネーターの求人に応募しました。

そして2回の面接をクリアし、最終面接である打診を受けました。それは「人材コーディネーターではなく、業務サポートリーダーとして入社しないか」という内容。希望していた人材コーディネーターは、働きたい方の希望を聞いてピッタリなお仕事を探し、就業を支援するお仕事。一方で、業務サポートリーダーは、常に現場にいて派遣スタッフに仕事を教えたり、働きやすい環境を整えたり…と、派遣スタッフに長く働いてもらうためのフォロー役。スタッフとの関わり方が異なります。ですが、業務サポートリーダーの仕事内容を聞いて「むしろ業務サポートリーダーの方が自分の希望に近いかもしれない」と思いました。そこで、企業からの提案を受け入れたんです。

冷静に判断できたのは「転職の目的」が定まっていたからだと思います。

入社後は2～3日間研修を受けた後、現場へ配属されました。現在は、都内のコールセンターで働いています。先輩の補佐的ポジションで、自分も派遣スタッフの就業フォローを行なっています。具体的には、スタッフの勤怠管理をしたり、スタッフが働きやすくなるための施策を練ったり、スタッフに業務のインストや研修を行なったり…と、いろいろと取り組んでいます。

仕事でやりがいを感じるのは、やはり「誰かの役に立っている」と実感できた時ですね。クライアントから新たな業務を任せてもらえたり、自分が研修を担当した派遣スタッフが成長している姿を見たりしたときには、嬉しくなります。

僕が働く上で大切にしているのは「思いやりを持って業務に取り組むこと」。任された仕事をただこなすだけなら、誰でもできるじゃないですか。でも「自分だからできた」と言える仕事にしたい。だから、なぜその仕事が自分に頼まれたのかを考え、＋αをつけて対応するようにしています。例えば、書類作成を任されたときには1日早く完成させたり、スタッフの研修を依頼されたときにはとにかくわかりやすさにこだわってみたり…ということを意識しています。

仕事は、人生の中の時間をたくさん費やすもの。だからこそ、仕事に真摯に向き合い、真面目に取り組んでいけば、人間としてきっと成長できていると思うんですよね。希望の転職を叶えられたので、この会社でしっかりキャリアを積み、成長できたら、と思います。
（取材・執筆：田尻真子／編集：エン転職編集部）