僕は小学校から高校までずっとバスケに打ち込んできました。今もそうですが、カラダを動かすのはもちろん、スポーツを見るのも昔から好きなんです。高校の時に将来は自分の好きな分野の仕事に就きたいなと進路を考えていて、まずはスポーツ系の専門学校に通いました。在学中、バスケ以外のスポーツの魅力を知りましたね。それで、いろんなジャンルに関われるスポーツ用品店の仕事に興味が出て、卒業後はスポーツ用品店の販売スタッフとして社会人のスタートを切ったんです。

スポーツ用品店では、春と秋はトレッキング、夏は球技やランニング、冬はスキー・スノーボードの売り場を担当させてもらっていました。ご来店されたお客さまに、どんな商品を探しているのかを聞いて提案するのが、販売スタッフの仕事です。自分がオススメした商品を気に入って買ってもらえた時はうれしかったですね。何より、リピーターが多かったので、後日「石井さんに勧めてもらった登山靴、疲れにくくていいよ」と感想を教えてもらえるのは、仕事の大きな励みになっていました。

ただ、販売スタッフとして働くことに充実感を覚えていたんですが、徐々に仕事中心の生活に将来の不安を感じるようになったんです。僕のいたスポーツ用品店では、早番をパートさんに任せて、正社員は12時～21時30分までの遅番が基本。その上、残業は多いと1日2時間ほど。残業しても、事務処理が終わらず、月の半分くらいは休日に数時間お店に出て対応していましたね。そんな生活をいつまでも続けられるイメージを持てなくて、転職を考えるようになりました。

転職活動といっても初めてのことで、何からやればいいのかがわかりませんでした。とりあえず、求人サイトのアプリをダウンロードしたものの、求人を眺めるだけで時間が過ぎていましたね。

そんな状況のまま4月から半年間が過ぎ、気づけば10月になっていました。これじゃ変わらないと思い、自分にプレッシャーをかける意味も込めて、半年後の4月までに転職しようと決意。その目標に向けてまずは、転職活動の情報収集と、仕事の軸探しに専念することを決めました。知識不足でまた前に進めなくなるのが怖かったから、1～2ヶ月かけてしっかりやろうと考えていましたね。

転職した友だちが周りに結構いたので、連絡を取って話を聞くことにしました。時間を無駄にしないように意識していたのは、気になることは全て解消すること。そのために、自分が履歴書を書いたり面接を受けたりする状況を想像して、疑問や不安は頭にまとめておきました。

並行して、やりたい仕事の軸も見つめ直しましたね。そもそもなんで販売スタッフになったのかも振り返ったんです。気づいたのは、やっぱり「スポーツ」や「運動」が好きだから、大変でも続けられていたこと。それに、お客さまに喜んでもらえることがモチベーションになっていたことも。「スポーツや運動の分野でお客さまを笑顔にできる仕事」がやりたいことなんだと思いました。この仕事の軸を、転職活動を相談した人に話したら、トレーナー職をすすめられたんです。カラダを動かすのは好きだし、自分が直接指導する仕事だから販売スタッフよりも介在価値が大きそうと感じましたね。気持ちが固まり、僕はトレーナー職に絞って受けることにしました。

あとはどうやって時間をやりくりするか。そのために、1日の自分の行動を整理していたら、忙しさを言い訳にしすぎていたことが見えてきました。たとえば、遅番勤務だから午前中はだらだら過ごしていたなと。休日出勤も、好きなタイミングで数時間出ればよかったので、柔軟に時間を使えそうだと気づきました。こうした隙間時間と、転職活動でやらないといけないことを照らし合わせていったんです。それで、仕事がある午前中は求人探しと履歴書作成に費やして、休日は面接時間を中心にスケジュールを立てることを決めました。12月、ついに求人に応募できましたね。

転職するならトレーナー職と決めていたので、あとはプライベートの時間を持てる働き方かを見ていきました。特に着目したのは、勤務時間と休日休暇。「日中の勤務で、残業が多くない働き方がいい」「週2日休みで、土曜や日曜に休めるところがいい」という僕の希望に近い求人を探したんです。職種で絞れていたから、応募先を見つけるのはスムーズでしたね。出勤前の午前中に応募書類を書くことも徹底し、1社目に応募してから時間を空けずに計4社にエントリーできました。

いろんな友だちから事前に聞いた情報を踏まえて、面接対策もやりました。接客の仕事では特に「感じの良さ」を第一印象で与えることが大事だと思ったので、相手の話にしっかりリアクションしたり、笑顔でハキハキ話したりすることを意識しようと決めていましたね。それと、納得して転職先を決めるために、求人ではわからないことを面接で質問しようとも考えていました。聞きたいことも頭にまとめておいて、面接に挑んだんです。

実際に面接に進んだのは3社。その中の1社が、リハビリ型デイサービスを運営するリーディングロールのフィットネストレーナーです。面接では、運動を通して利用者さまの身体機能の回復や改善をサポートできる仕事と聞いて、まさに自分が求めていた「お客さまを笑顔にできる仕事」だと思えましたね。

また、働き方についても納得できるまで聞きました。たとえば、休日数や休日出勤の有無、みなさんの出退勤時間や残業時間など。細かいところでは、休憩時間が仕事でつぶれないかも質問させてもらいましたが、一つひとつ丁寧に教えてもらえたおかげで、プライベートの時間をきちんと大切にして働けるイメージを持てましたね。

結果、12月に応募して1月に内定の連絡をもらうことができました。こんなにスムーズに転職活動を終えられたのは、計画的に集中して取り組んだ結果だと思っています。

リーディングロールが運営する『レコードブック』は、利用者さまの機能訓練を行なうリハビリ型デイサービスです。ここには、主に80代の方が週2回ほどのペースで通われています。「散歩をもっと長い時間楽しめるようになりたい」「家族旅行に行きたい」「1人で歩いて買い物に行きたい」などの利用者さまの希望に応えられるように、筋力トレーニングなどをサポートするのが、フィットネストレーナーである僕の仕事です。利用者さまから「昨日ね、いつもより長い時間散歩できたのよ。ここに通ってから足が軽くなった気がするの」と教えていただけることがよくあるんですが、そのたびに「お客さまをちゃんと笑顔にできているんだ」と感じられています。

今の仕事に就いて、プライベートを楽しめるようにもなりましたね。前職との一番の違いは、土日に休めること。もちろん、休日出勤もありません。土日休みの友だちが多いので、みんなと遊びに行けることがうれしいです。平日も定時が17時までで多少残業があっても、自分の時間を持てています。前職の時は遅番で23時ごろまで残業していたことも多かったので、そのあとに何かする元気がなかったんです。働き方も転職で大きく改善できました。